2016年12月
クリスマス:新たな光、新たな希望
クラウディオ・ジャネシン神父
クリスマス、おめでとうございます!
人となられた主イエス・キリストが皆さんの歩みを支え、導いて下さるようお祈り申し上げます。
乙女マリアからお生まれになった主イエスの誕生を喜びのうちに毎年お祝いしています。この季節に飾る光は私たちの心の中に新たな光をともしてくれるでしょう。
「神のいつくしみの特別聖年」を祝い、今年のクリスマスは特別な光で照らされていることでしょう。神の寛大なこころ、いつでも、だれであっても受け入れて歓迎してくださる神の姿です。遣わして下さった主イエスの降誕をとおしてそれは現されました。
神様が私たち一人一人をこころにかけ、愛してくださることを主イエスはご自分の誕生、ご自分の生涯、身体と魂でそれを示してくださいました。私たちの心の傷と悩みを癒し、平和と人々の和解へと歩ませてくださいます。心の痛みを癒し、罪を赦し、神様のもとに連れ戻して、神と和解させ、神の子として歩む力を与えてくださいます。心の平和を与えられ、神様との交わりの喜びを感じさせます。この平和と交わりの実現は常に人間の深い憧れではないかと思います。
国々の対立、紛争、争いに悩まされている現代世界の情勢を見ると、特にこの季節(イエスのご降誕を待ち望む季節)に ミサの中で読まれる預言者イザヤの言葉が思い浮かびます。平和への願望の言葉です。主が語られる・・・「彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」(イザヤ2・4)。
夢のように思われるかもしれませんが、実際にこの「神のいつくしみの特別聖年」の時に、ところどころでそのかすかな光が見えてきました。キューバの国民はより開いた新時代に入り、紛争で悩まされたコロンビアでは国民同士が和解の希望を抱くようになりました。小さいしるしかもしれませんが、ともされたこの小さい光が全世界に広がるように祈っています。
「 闇の中を歩む民は、大いなる光を見た。暗闇の地に住んでいた者の上に、光が輝いた」。
(イザヤ9・1)
クリスマスの明かりを見るたびに、このイザヤの預言を思い起こして、平和への道を示した主イエスと救い主を遣わして下さった御父に感謝したいと思います。
喜びと平和のうちによいクリスマスを迎えることができるようお祈り申し上げます。
クリスマス、おめでとうございます!
教会報 2016年12月号 巻頭言